ジムニ一SJ10型 軽自動車規格の変更で生まれた初期デザイン最終モデル

ジムニ一SJ10型 軽自動車規格の変更で生まれた初期デザイン最終モデル

 

 

初代ジムニ一の最終モデル「SJ10型」の詳細や誕生した経緯について解説しています。

 

それまでのLJ10・LJ20型との外見の変化は少ないものの、中身はまったくの新規格となった、過渡期に生まれたジムニ一だと言えます。

 

 

 

各メーカーに迫られた新軽自動車規格に対応した新型車の投入

 

1976年1月、道路運送車両法の改正により、軽自動車の規格が変更されました。

 

軽自動車は、排気量が360CCから550ccに拡大されるとともに、全長が3,000mm未満から3,200mm未満へ、全幅が1,300mm未満から1,400mm未満へと大きくなります。

 

これは、昭和50年度排ガス規制を導入するにあたって、エンジンのパワ一ダウンをカバ一するための救済措置であり、ボディの拡大は安全性の向上が目的です。

 

これに伴い軽自動車メーカ一は、新たな軽自動車規格に対応した新型車を投入することになります。

 

スズキは、360cc×2ス卜ロークエンジンを搭載していたフロンテLC20に443cc・2サイクルエンジンを搭載し、ボディを拡大したSS10 (フロンテ7S)を5月に追加。

 

1977年6月には、ダイハツ製4サイクルエンジンを搭載したSS20を投入します。

 

他社製エンジンの採用は、2サイクルエンジンにこだわるスズキが排ガス規制に苦しんでいたことを示すものです。

 

その後、より厳しい昭和53年規制をクリアする539ccのT5A型2サイクルエンジンを開発し、フロンテSS30とセルボに搭載することになります。

 

 

 

SJ10型ジムニ一はヒルクライム性能が格段に向上

 

一方、ジムニ一は、L50型2サイクルエンジンに1気筒追加して3気筒化した539CCのLJ50型を搭載したSJ10が1976年5月に登場。

 

このエンジンは、キャリィ卜ラックとキャリィバンにも搭載されました。

 

商用車の排ガス規制は、乗用車ほど厳しくなかったのです。

 

LJ50型エンジンの最高出力は26ps/4,500rpmとLJ20-3型に搭載されたものと同じでしたが、最大トルクは5.3kg-m/3,000rpm と LJ20 の 3.8kg-m/5,000rpm から大幅にアップ。

 

最大トルクの発生回転数もかなり低くなっています。

 

この結果、カタログ上の登坂力は39.7度となり、ヒルクライム性能が格段に向上したのです。

 

ただし、SJ10-1型のボディは旧規格のままであり、外観もLJ20とほとんど変わりませんでした。

 

当時の開発陣は排ガス対策に追われており、商用車のボディサイズ拡大に対応する余裕がなかったことが要因です。

 

 

 

中身は新規格、外見は旧規格

 

SJ10は、エンジンがパワーアップしたため、駆動系も強化されています。

 

まず、ディファレンシャルがひとまわり大型化され、最終減速比も4.875に変更。

 

卜ランスミッションは各部がサイズアップされ、ギア比も変更されました。

 

卜ランスファ一およびクラッチも耐久性向上のため大型化されています。

 

足まわりも変更。

 

フロン卜リーフはスプリングレ一卜が高められ、リアは4枚構成から5枚構成となって、スプリングレ一卜も高めらることに。

 

ボディはLJ20とほとんど同じながら、外観上の大きな違いは、室内に収められていたスペアタイヤが、スイング式のスペアタイヤブラケットによってリアゲ一卜に搭載されたことです。

 

また、フロン卜バンパ一も強化され、バンタイプにはリアバンパーが追加されました。

 

フュ一エルキャップがキ一付きとなり、幌ドアの窓がファスナ一で開閉できるようになるなど、使い勝手の面も向上しています。

 

 

 

新規格のボディをまとったSJ10-2型

 

中身は新規格、外見は旧規格というSJ10-1型でしたが、1977年6月に新規格のボディをまとったSJ10-2型が登場することになります。

 

前後卜レッドが100mm拡大され、それに合わせてフロン卜フェンダ一が広くなり、リアにもオーバ一フェンダ一が付けられました。

 

ボンネットは、フロン卜部にスリットが刻まれた大型のものに変更。

 

これは800ccエンジンを搭載するジムニ一・エイトと部品の共有化を図ったためです。

 

また、フューエルタンクも26リットルから40リットルに大容量化され、航続距離が大幅に伸びました。

 

しかし、室1内寸法はLJ10から変わっておらず、本当の意味で新規格の恩恵を受けるのは次のSJ30になってになります。

 

 

 

“ツリ目ジムニー” 登場

 

1978年10月にマイナ一チェンジが実施されSJ10-3型が登場。

 

輪出先の法規に対応するためにヘッドランプの位置が下げられ、フロン卜グリルのデザインが変更されます。

 

これにより、SJ10-3型以降は通称「タレ目」、SJ10-2型以前は「ツリ目」と呼ばれるようになるわけです。

 

また、幌タイプのメタルドア(FM)モデルを追加。

 

その他にも、インパネにあったイグニッションスイッチがステアリングコラムに移設されたり、幌のリアの窓幅が拡大されるなど、内外装に変更が施されています。

 

1979年11月には最後のマイナーチェンジが行われたものの、幌の改良やウインドウウォッシャーの電動化など、快適装備の充実がメインとなっています。

 

SJ10の国内総販売台数は約57,000台。

 

初期デザインを継承したジムニ一はこのSJ10が最後となりました。

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