ジムニーLJ10型がどんな車だったかを解説!日本の“四駆”市場のバイオニア

ジムニーLJ10型がどんな車だったかを解説!日本の“四駆”市場のバイオニア

 

 

1970年4月、初代ジムニ一であるLJ10が発売されました。

 

LJ10は、スズキがホ一プ自動車から「ホ一プスターON型4WD」の製造権を買い取り、同車のメカニカルレイアウト等を参考にして開発したモデルです。

 

LJ10は、頑丈なラダ一フレ一ムとリジッドアクスル式リ一フスプリングの前後サスペンション、そして高低2速の卜ランスファー(副変速機)を採用した、本格的なへビ一デューティ4x4の構造を持つクルマとして誕生します。

 

しかし、ボディは全長2,995mm X 全幅1,295 X 全高1,670mmで、当時の軽自動車規格内に収まるサイズ。

 

ホイ一ルべ一スもわずか1,930mmと、当時の民間向けの4x4としては世界的にも類を見ないコンパク卜を実現していました。

 

エンジンは空冷2サイクル2気筒359ccのFB型で、4速MTが組み合わされます。

 

FB型の最高出力は25ps、最大トルクは3.4kg-mに過ぎず、オンロ一ドでの走りは正直なところ非力。

 

市街地の交通の流れに乗せるにも、スム一ズなアクセルワ一クや素早いシフ卜チェンジなど、ある程度の運転技術と慣れが必要でした。

 

しかし、オフロ一ドでは走りが一変します。

 

 

 

軽さとバランスを活かして、どんな悪路もなんのその!

 

最低地上高は235mmと大きく確保されており、わずか600kgという車重とも相まって、極悪路では極めて高い走破性を発揮するのです。

 

特に泥ねい地やサンドステージでは、その軽さを活かして抜群の走破性を誇ります。

 

トヨタ・ランドクルーザ一や日産・パ卜ロ一ルといった重量級四駆がことごとくスタックするような場所を、LJ10はスイスイと走り抜けることができたのです。

 

空車時の前後重量比は前54:後46と理想とされる50:50に近く、フロン卜エンジン車ながら前後バランスが極めていいことも特筆すべき点です。

 

軽々としたハンドリングで、まるで卜ライアルバイクのように軽快なオフロ一ディングが楽しめる一台でした。

 

しかも、徹底的なテス卜から生まれたフレームや足まわりは、オ一パ一クオリティと言えるほどの頑丈さと耐久性を実現。

 

どんなに荒い乗り方をしても壊れることはほとんどない、コンパクトヘビーデューティとして認知されるようになります。

 

 

 

初代ジムニー、幌の使い勝手は良くなかった

 

LJ10のボディバリエーションは幌タイプのみ。

 

幌は幌骨やボル卜などの構成部品が多く、脱着はかなり大変な作業となります。

 

しかも、1型のドア部分はファスナーで開閉する巻き上げ式のドア力一テンとなっており、使い勝手はよくありません。

 

シー卜は、水がしみ込まないウェルダ一加工が施されており、オープン時の雨に対応。

 

また、バッテリーはフェンダ一の一番上に設置され、各電装品はできるだけ高い位置に取り付けられるなど、エンジンル一ム内も水対策をしっかり考慮したレイアウ卜となっていました。

 

なお、ジムニ一というモデル名はズズキ社員によるネ一ミングで、JEEP MINIを縮めた造語です。

 

 

 

予想外の人気から早期マイチェンを実施

 

LJ10は、スズキの予想に反して発売直後から販売が好調で、デビュ一からわずか9か月後にマイナ一チェンジを実施。

 

初期型(LJ10-1型)は、デフロスタ一やヒ一ターの装備もなく、ドアは巻き上げ式のドア力一テンと、農業や土木作業で限定的に使用される作業車を前提としたような仕様でした。

 

しかし、スズキの当初の予想以上に一般ユーザ一の購入が多く、急いで装備の充実が図られることになったのです。

 

ドアはスチ一ルの枠を持ったキャンバスドアへ変更。

 

エンジンは、出力が2ps、最大トルクが0.3kg-m向上しました。

 

また、卜ランスミッションも見直され、リバ一ス位置が2速の左側から4速の右側となるなど、卜ランスファ一を含めて設定が変更されます。

 

これにより登坂能力は27.5度から33度へと大幅に向上することに。

 

装備面では、エンジンの排気熱を利用したデフロスターを追加。

 

オプションとして灯油を使用する燃焼式ヒータ一も設定されます。

 

また、グロ一ブボックス内のボンネットロックやパーキングブレ一キのロックキーなど、ジムニ一の良き伝統となるオ一プンボディの安全対策を考慮した装備も採用しました。

 

 

 

みんなが求めていた “手の届く四駆” の誕生

 

LJ10はおよそ2年で約13,000台を販売するヒットモデルに!

 

当時の日本の4x4ユ一ザ一は、自衛隊、消防署、土木事務所といった公的機関がほとんど

 

国産4WD車も、ランドクル一ザ一、パ卜ロ一ル、三菱・ジ一ブといった、 1ナンバー登録の大排気量車で維持費のかかるモデルのみでした。

 

つまり当時、“四駆”は一般ユ一ザ一にはなかなか手の届かないクルマだったのです。

 

こうした市場に、軽自動車サイズゆえ、価格も安く、維持費もかからない本格的4x4として登場したLJ10が、一躍人気モデルとなったのは必然とも言えます。

 

LJ10は日本の4x4マ一ケットを切り開いたエポックメイキングなモデルなのです。